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シリンダーの構造上の種類と特徴


 シリンダーはその構造上、必ずシリンダー内にタンブラーと呼ばれるストッパーがあります。キーを差し込むことにより、そのタンブラーを外してキーを回すことができるようになっています。基本的にタンブラーの違いが、そのままシリンダーの構造上の違いになります。特に一般の方には必要のない知識だと思いますが、興味のある方はどうぞ目を通してみてください。

 
ディスクタンブラーシリンダー

 タンブラーが板状になっているシリンダーで、穴の空いた板の形状をしているものが「ディスクタンブラー」、板が半円形状のものを「ロータリーディスクタンブラー」と呼びます。これらはキーを挿し込むことによって、内筒と外筒にまたがったディスク(金属製の板)を内筒内に引っ込め、キーを回すような構造になっています。
 このシリンダーはどうしてもシリンダー内に空間が多くできてしまうので、一般的な使用に対する耐久性はあるのですが、その構造上、破壊に対して弱くなってしまいます。そのため外国では車に使うことが多く、あまり玄関などの住居用として使われるケースは少ないシリンダーです。
 価格としては安価なため、日本ではかなりの普及率になっています。国内で普及しているものでロータリーディスクタンブラーを採用しているシリンダーであれば、まだピッキングに対してある程度の抵抗力があるのですが、特に旧型のディスクタンブラーのものはピッキングに対する抵抗力はほとんどなく、それを狙った外国人窃盗団が横行して話題になったのが、いわゆるピッキング騒動です。
 またロータリーディスクシリンダーであっても、破壊に対する耐久性という点では、構造上どうしても弱くなりがちですので注意が必要です。

 

ピンタンブラーシリンダー

 タンブラーがピンになっているシリンダーです。内筒と外筒をピンによって制御し、キーを差し込んでピンを外筒に引っ込めることによって、キーを回す構造になっています。
 かなり普及しているシリンダーですので、目にするケースも多いと思いますが、最も普及しているものは鍵の片方だけにギザギザの山がある、いわゆる「ノコギリキー」と呼ばれているものです。
 一般的に、このタイプのシリンダーはピッキングに対して非常に危ないと言われています。これは普及しているこのタイプのシリンダーのほとんどが防犯性の低いものであるため、あながち間違いだとは言えませんが、厳密に言えば断言できるものではありません。
 よほど意識して選んでいない限り、上記のような危ないシリンダーであるケースがほとんどなのですが、このタイプのシリンダーは作り方によって性能に雲泥の差が出ます。その山の数や高さの違いの数により、性能は千差万別で、外国製のものなどでは「ノコギリキー」を使用しているシリンダーであっても、かなり高性能なものも存在します。したがって、構造上の理由だけで「ピンタンブラーシリンダーだから危ない」と断言できないのが本当のところです。
 また、基本的にこのタイプのシリンダーは金属の塊から削り出しているので、構造上非常に強固なものになります。そのため破壊に対しては強い抵抗力を示すシリンダーです。ちなみに後述の「マグネチックタンブラー」も「ディンプルキー」も、構造上は、このピンタンブラーシリンダーの発展形となります。

 
マグネチックタンブラーシリンダー

 タンブラーが磁石になっており、磁石のN極・S極・ニュートラルの3種のタンブラーの組み合せと、キーに埋めこまれた磁石の反発・吸引を利用してキーを回す構造になっているシリンダーです。 
 マグネットを利用しているのですが、基本的に原理としてはピンシリンダーの原理と変わりませんので、これも上記ピンシリンダーの発展形と言えます。特徴としては、キーに小さな磁石が埋め込んであります。
 現在国内で販売されているこのタイプのシリンダーは、基本的なピンシリンダーの構造と、タンブラーにマグネットを利用したものを組み合せていますので、一般的に防犯性能が高いと言われています。 
 しかし、マグネットの反発力を利用している為、タンブラーに使われるバネが弱くなる特徴があります。したがって、ある電動工具などを使用すると簡単に錠が回ってしまうケースも報告されていますし、このタイプで最も普及率の高いものには、専用の開錠工具がある事が鍵屋の間では良く知られています。
 また、長期間使用するとマグネットの能力が低下したり、キーに組み込まれた磁石が落ちてしまったりするなど、使用に対する耐久性に問題がでる場合があります。もっとも国内で使用されているシリンダーは、MIWAのEC錠です。有名なディベロッパーの大京さんが良く使っているので、ライオンズマンションにお住まいの方は、この錠前を使われている方が多いと思います。
 しかし、専用開錠工具が出回った事により、現在においては防犯性の高い鍵ではなくなり。メーカーのMIWAは、2006年3月にシリンダーの製造も子鍵の注文も打ち切りました。したがって、このタイプの錠前を使われている方には、早期のシリンダー交換をお勧めします。

ディンプルキーシリンダー

 ディンプルキーを採用しているシリンダーで、構造上の分類では上記のピンシリンダーの一種になります。
 ピンタンブラーシリンダーには、キーの見た目の違いで大きく別けて3つの種類があります。最も多く使われているのは、上記の「ノコギリキー」のもので、これが最も普及しているシリンダーです。またキーにマグネットが埋め込まれている上記の「マグネチックタンブラーシリンダー」、そしてもうひとつが、このディンプルキーになります。
 ディンプルタイプのキーを採用しているシリンダーは、設計段階においてピンの方向を選びません。そのためメーカーにより上下左右、ななめ方向など、シリンダーの様々な方向からピンを出すことが可能になり、防犯性能が高くなる効果があります。特徴としてはキーにギザギザの山がなく、エクボのような穴が複数空いているキーになります。
 このタイプのシリンダーのデメリットは、精度が高いものが多く、使用している間にオリジナルのキーであっても回らなくなってしまうトラブルがあるということです。この場合、シリンダー用の潤滑剤を使用することで解決できるのですが、急を要する場合には困りますので、製造メーカーや使用状況によっては日頃からのメンテナンスが必要になります。
 一般的にディンプルタイプのキーを採用しているシリンダーは防犯性能が高いと言われています。構造上は厳密に言えばピンシリンダーなのですが、上記ピンタンブラーシリンダーと別けて「ディンプルタイプ」「ディンプルシリンダー」などと呼ばれることが多いので、あえて別に書かせていただきました。

まとめ

 このように、構造上の種類だけでも多くの種類が存在していますし、それぞれの種類を各メーカーが販売していますので、かなりの数のシリンダーが販売されています。また、各メーカーや団体・マスコミが様々な宣伝・報道をしていますので、どのシリンダーの性能が高く、どのシリンダーが性能が低いのかは、素人の方にはなかなか分からないと思います。
 一般ユーザーが判断するためには、正しい情報を手に入れて選択する必要がありますが、やはり信頼できるプロに任せるのが現実的な選択肢のひとつとなると思います。

 

   

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